『タロットの秘密』鏡リュウジ著

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タロット占いに携わる人のみならず、タロットに少しでも興味がある人にお薦めしたい一冊です。
占星術は言うにおよばず、様々な占いの権威としてその名を広く知られた鏡リュウジ先生による「渾身の一冊」と言って良いでしょう。

本書は、タロットカードがどのようにして生まれ、そして「占い」の札として使われるようになったのかを中心に纏められた一冊です。
(勿論、タロット占いに関する情報も掲載されております)
タロット占いのプロなら幾つかの書籍や国内外のウェブサイトで既に触れた事のある情報が多いとはいえ、860円324ページで凝縮した形で、しかも読みやすい文体で書かれているこの一冊は、タロットの歴史的経緯を振り返る良い材料といえますし、タロットの歴史的経緯を知らない人には知的好奇心を掻き立てる一冊と言えるでしょう。

■序章 タロットの魅力
鏡先生のタロットの出会いからはじまり、タロットカードがどのような構成であるのか等を解説し、タロットの世界へと誘ってゆきます。

■第一章 誕生の謎
タロットカードは、いつどのように誕生したのでしょう。
マムルークカード、マンテーニャのタロット、ヴィスコンティ・スフォルザ版タロットといった初期の遊戯札およびマルセイユ・タロットを引き合いに出しながら、その足跡を辿ってゆきます。
個人的にはフランチェスコ・ベトラルカの『凱旋』のエピソードは英文などで少し触れた程度でしたので日本語で概要を知ることが出来て良かったです。

■第二章 神秘化したタロット
後に否定されることになるタロットエジプト起源説を唱えたクールド・ジェブランや初のタロット占い師エテイヤ、タロットを魔術化したエリファス・レヴィ、アルカナと名付けたポール・クリスチャン、史上初のタロット本を書いたパピュス、薔薇十字運動や黄金の夜明け団、そしてアーサー・エドワード・ウェイトとアレイスター・クロウリーといったタロットに携わった著名な魔術師やオカルティストを紹介しながら、タロットが如何に魔術の道具として変遷してきたかを解説しています。

■第三章 タロットの二十世紀
タイトルは「タロットの二十世紀」となっていますが、イーデングレイが登場した1960年代以降の欧米の、所謂カウンターカルチャーを下敷きとしたニューエイジ的思想を持った、あるいは80年代以降の社会的思想を反映した「あたらしいタロット」を紹介しています。
紹介されているタロットは私も知らないものが多く含まれていて、機会があったら現物を購入するなりしてみたいと思いました、

■第四章 心の世界と、タロットの図像学
2002年に発行された『タロット こころの図像学』を底本にはしていますが、全くの書き下ろしと言えます。
大アルカナ22枚を一枚ずつ丁寧に図像学的アプローチから解説し、且つ「リーディングのヒント」が掲載されています。
この「リーディングのヒント」は鏡氏独自のアプローチであり、これを読むだけでも「買い」と言えるでしょう。

小アルカナについても「小アルカナの意味と解釈のコツ」として解説されており、特にP276の「四つのスートと四大エレメントとの対応」「数札と天球の対応、数秘術的な対応」は熟練者であっても多いに参考になると思います。

■第五章 実践・タロット占い
ヘキサグラム・ケルト十字・ホロスコープスプレッドの古典的(トラディショナル)な展開法を3つ紹介した後、シンプル・クロス・スプレッドと呼ばれる2枚引きを紹介しています。
これは『タロット こころの図像学』にも紹介された展開法で、鏡氏のオリジナルではないですが、紹介をするのは避けておきます。

また、逆位置に対する考えも紹介されています。

”また、カードは出た時の正逆によって意味が変わるとされるのが一般的だが、第四章でも述べたように、僕はその必要性をあまり感じていない。直感的にカードの向きが重要だと感じたときには、カードのネガティブな意味合いを重視するようにする程度だ。
「こうでなければならない」という占い方のルールはタロットにはないので、自分の経験に照らしつつ、カードによって喚起される自分なりのイマジネーションに素直についてゆこう。具体的な結果、たとえば恋が成就するかどうかといった答えを引き出そうとするより、カードのイメージからどんな洞察やアドバイスが得られるか、ということのほうがずっと重要である。

『タロットの秘密』P307-308”

個人的にも正位置と逆位置で「意味が別れる」とはあまり考えていませんし、同じ逆位置でも強弱があるように感じています。逆位置の解説のあと、鏡氏による実占例が掲載されています。

駆け足で紹介しましたが「これ本当に860円の本?」と思うくらいに充実した本だというのを感じて頂ければと思います。
この本はタロットの世界へと誘う良い一冊だと思います。

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