この本は【上級者向】です。
タロット「占い」ではなく、タロットカードそのものに関する様々な情報を網羅した一冊。
タロットがいつ誕生したのか、現代ではどのようにタロットが取り扱われているのか、ウェイトやクロウリーが作ったタロットの成立経緯などが詳細に記述されています。
図版も多く資料の紹介も多いのですが、解説されているのは主にウェイト・スミスタロット以前のタロットカードが中心で、掲載されている図版もモノクロなのが残念。
個人的にはタロットの成立経緯については、『黄金の夜明け魔術全書』にもあたっておいたほうが良いと考えますし、図像解説に関しては井上教子先生の『タロットの歴史―西洋文化史から図像を読み解く』のほうが分かりやすく感じます。
それらを差し引いても読み物としては面白いのですけれど、ちょっと高額いかな、という印象はありますね。
書籍の構成は、広告の後にご紹介します。
『第一部 タロットの現在形』
現在流通しているウェイト・スミス、トートなどを中心に、現在のタロットがどのようなものであるかの解説が行われています。
『第二部 タロットの歴史』
オカルトタロットの歴史をたどりながら、タロットのエジプト起源説を否定しています。
『第三部 タロットの図像学』
タロットに何が描かれているのか、何が描かれてきたのか、その歴史的な経緯と共に紹介しています。