戦車

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【概要】

『戦車』のタロットカードが持つイメージは”勝利と成長”です。
彼は背後にある城から旅立ち、川を超え、勝利を手にする為にこの先どうするか考えています。

白と黒の二頭立てのスフィンクスに牽かれた『戦車』に乗った青年は、星の飾りのついた冠を被っています。
彼を乗せた『戦車』には、八芒星が描かれた天蓋が付けられています。

川の向こうに大きな城が見えます。
川は青年と城を分断するかのように流れています。
立方体の戦車にはリンガムとヨニと呼ばれるコマが描かれています。

【ディテール解説】

●二頭のスフィンクス

白と黒の二頭のスフィンクスは『女教皇』に描かれた「ボアズ(Boaz)」と「ヤキン(Jachin)」の柱を彷彿とさせます。
事実、此処から光と影、善悪のような二項対立的な示唆を読み取るタロティストは多いです。
また、属性の異なるスフィンクスを手綱無しで操ることから「精神的なバランス・冷静さ・集中」と読まれることもあります。

●背後の城

小アルカナに描かれた城はゴールもしくは目的の場所であると何人かのタロティストが言っています。
ですが『戦車』に描かれている城は「出てきた」ようにしか見る事は出来ません。

ウェイトは青年が「スフィンクスの謎」を解き、奴隷を解放した、と書いています。
出エジプト記を想像する人もいると思いますけれど、「スフィンクスの謎=論理的理解」によって彼自身を解放した事を暗喩しています。
言ってみれば親元を離れて都会に出てきたとか、自分の才能を信じて芸能の世界に飛び込むとか、大恋愛に落ちるとか、そういう事を象徴していると言えるでしょう。

●城と戦車の間にある川

あからさまな程に大きく描かれている川について、多くのタロティストは何故か沈黙をしています。
個人的には「城と戦車が川によって分断されて描かれている」事から読み取れる示唆は多いと感じています。
例えば「不退転の覚悟で望んでいる」「後戻りできない」「引くに引けない」などです。

●冠と天蓋の星

冠につけられた星は八芒星であり『星』との関連性がしばしば指摘されています。
冠と天蓋に描かれた星は『星』との関連性があると読まれたり、『女帝』の冠を連想したりすることが多いようですね。
占いとして考えるなら「希望」を抱いている、彼の中に内在する女性性という示唆を導き出すことが出来るでしょう。

●リンガムとヨニ

赤いコマのようなマークはインドの象徴でリンガムとヨニという男性器と女性器を象徴したものとされています。
単純にコマとして見立て「バランス」と読む人もいますし、リンガムとヨニから和合の象徴という示唆を導き出す人もいます。

●立方体の戦車

戦車は立方体で、石造りのように見え、青年の下半身はまるで戦車に埋まっているかのように見えます。
二頭のスフィンクスもネコが休む時のポーズ、いわゆる香箱を作っているように見えます。
『戦車』は勇ましく疾走しているように見えるか、立ち往生しているかのように見えるかによって示唆は大きく異なって来ます。

『戦車』が出たのにどうも積極的に見えないな、と思うなら「戦車は止まっているのかもしれない」と考えてみる必要があるかもしれません。
そして「どこから出ていこうとしている(何から解放されようとしている)のか、そして何に希望を感じ、何を迷っているのか」を考えてみると良いでしょう。

●斜めがけのベルト

何人かのタロティストが「斜めがけのベルトは不安の象徴」であるという読み解きをしています。
ベルトを良くみると月の惑星記号と蟹座のマーク以外にヘブライ文字のヘット、およびザイン(あるいはヴァウ)と思わしき記号を見る事が出来ます。
ウェイトは大アルカナに文字を当てはめる事をしませんでした。
その理由として「迷った」のではないか、というようには考えられないでしょうか。

●肩当ての月・ウリルとトンミム

多くのタロティストが肩当てを『月』をかたどっていると解釈し、そこから女性性・不安を読み取っていますが、ウリムとトンミムに言及し、あるいは占いの示唆として用いられているのを殆ど見たことはありません。

ウェイト自身は『戦車』に描かれた人物の肩に乗っているものを”ウリムとトンミムと思われるものが乗っている”と書いています。

ジャン・ドダル版をはじめとしたマルセイユ系タロットの『戦車』の肩当てには顔の装飾を施された肩当てが見られますが、『戦車』の肩当を「ウリルとトンミム」であると書いたのはエリファス・レヴィです(注:”両肩には「ゲドゥラ」と「ゲプラ」に見立てた二つの三日月によってあらあされる祭司長の印し「ウリム」と「トゥミム」を着けている(『高等魔術の教理と祭儀(祭儀編)』P291)" )。

ウリルとトンミムは、白石と黒石の一対の石で12個の異なる色の宝石によって装飾された胸当てに収められている「神からの啓示・託宣」を受け取る為の道具であり、バビロニア虜囚の英雄アロンや高等司祭の象徴として用いられていますが、ウェイト自身は『戦車』に描かれている人物を「王族でも司祭でもない」と敢えて書いています。
ウェイトの『戦車』には胸に正方形の図があるので、これを「ウリルとトンミム」であるという指摘も見られますが、個人的には肩当てのほうではないかな、と思っています。

●抜き身の剣

ウェイトは『戦車』に乗る青年が「抜き身の剣」を持っている、と書いていますが、青年が持っているのは恐らくワンドです。
占い上では(どちらか結論が出ていないということもあって)あまり重視されていないようです。

【解釈の例ー正位置 】

状況:積極的・後戻り出来ない・バランスを保つ
心境:強い意志・情熱に身を任せる・暴走しそう
対策:自信を持って前進・暴走しないように・手綱を握る必要性

【解釈の例ー逆位置 】

状況:消極的・遅延(停滞)・バランスを保てない
心境:弱い意志・コントロール出来ない・激しい思い込み
対策:消極的過ぎるか、思い込みが激しいようです・バランス感覚が問われています・時には撤退を

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