【概要】
『カップ5』のタロットカードが持つイメージは”失望と展望”です。
失われてしまったものに目を向けるのではなく、残された可能性に気づく必要性があります。
真っ黒な外套に身を包み、倒れた3つのカップを見つめている人物が描かれています。
カップからは色とりどりの液体が流れています。
彼の背後には2つのカップが立っており、遠くには白い橋と城が見えます。
【ディテール解説】
●倒れた3つのカップと背後にある2つのカップ
倒れた3つのカップを見つめ、悲しみにくれる人物が描かれています。
黒いマントに身を包み、背中をこちら側に見せているので、その表情を伺い知る事は出来ません。
カップは「愛」の象徴であり、その中身は、彼が大事にしてきたもののようです。
彼の背後には「愛」に満たされたカップが残っていますが、彼はその事に気づいていないようです。
これらの事から「ガッカリしている」という示唆以外に「希望がまだ残されている」ですとか「視野を広くすれば可能性はある」のように読む事が出来るでしょう。
●遠くに見える城と橋
『カップ5』には、城と橋が描かれています。
城と橋は『ワンド4』に描かれているものに似ていると多くのタロティストが指摘しています。
城は彼が本来目指していたゴールなのか、それとも顔をあげる(視野を広げる)事で見つける場所と捉えるのかによっても示唆は異なるように思います。
●困難な/愛
小アルカナの「5」に共通する示唆は「厳しさ・試練・困難 」です。
これにカップの示唆である「愛情・受動性」を組み合わせると「困難な愛」と読む事が出来ます。
少し視野を広げれば可能性はあるけれど、今はまだ気付いていない、と言ったところなのでしょうね。
【解釈の例ー正位置 】
状況:目標が達成しない・何かを失う・可能性に気づかない
心境:落胆・喪失・失望
対策:可能性に気付けるかが鍵となっています・あるいは方針転換
【解釈の例ー逆位置 】
状況:喪失はあるが、再び歩き出す・方針の変更・再会
心境:失われたものを取り戻す可能性・可能性に気付く
対策:目の前の喪失にとらわれない・可能性を信じる・視野を広げる