この本は【中級者向】です。
タロットを学んでいますと「図像学」という言葉を見聞する機会があると思います。
『鏡リュウジの実践タロット・リーディング』はタロットに何が描かれているのか、その源流はどこにあるのかを鏡さんの分かりやすい文章で紹介しています。
何冊かタロットの本を読んで更にステップアップしたいと考える方に向いていますが、個人的には「マストバイ」の一冊だと思っています。
鏡先生自身による同書の解説はAmazonのページでも確認することが出来ますので参考になさってください。
MAJOR ARCANA 大アルカナ
大アルカナの項目では、タロット研究家として知られる夢然堂さんが所有しておられる「パメラA」と呼ばれる貴重な版を使いながら「何が描かれているのか」を解説してくださっています。
解説のあとにタロットカードを一枚ずつ丁寧かつ自由に、そして親しみやすい口調で解説してくださっています。
各カードごとに6ページ程で構成されていて「たっぷり」読むことができます。
情報量の多さもさることながら楽しく読めるのもポイント。
鏡先生が「タロットお茶会」に参加してくださったら、きっとこんな感じの事を喋ってくださるのではないだろうか・・・
そんな事を考えなら拝読しました。
MINOR ARCANA 小アルカナ
小アルカナは、大アルカナより「占い解説」のニュアンスが強くなっています。
特にP196の「小アルカナ意味早見表」やエース~10の単位ごとの表題は「小アルカナが苦手」とお感じの方や数札が絵ではないタロットをお使いの方には参考となるところが大きいと思います。
またP238~の「幅広い解釈を楽しむコートカード」はコートカードに苦手意識を持っている方は是非読むことをお薦めします。
中でもP242~のコートカードのエクササイズは素晴らしい!です。
スプレッド
スプレッドでは「シンプルクロススプレッド」や「スリーカード・スプレッド」「ダイヤモンドクロス・スプレッド」など枚数の少ない展開方法から「ケルト十字法」「ヘキサグラム・スプレッド」「ホロスコープ・スプレッド」「生命の樹・スプレッド」といった比較的良く知られたスプレッド、そして「天球スプレッド」「グランドスター・スプレッド」「ユンギアン・タロット」といった、あまりなじみの無い大がかりな展開法まで紹介されています。
あまり見ない展開法が紹介されているのはもとより、全ての展開法に対し、鏡先生のリーディング実例がついているのも嬉しいですね。