完全版 タロット事典|アンソニー・ルイス 著

著者はホラリー占星術などの解説書で知られている精神学者であり占い師でもある方です。
この本はLlewellyn’s Classic Tarotの解説を中心に、大アルカナには「鍵の番号」「占星術」「エレメント」「数秘術」「ヘブライ文字」「神話/原型」「メイザース」「ウェイト」「クロウリー/黄金の夜明け団」の解釈を簡易的に掲載した上で「+のキーワード」「ーのキーワード」「正位置」「逆位置」を、小アルカナには「エティヤ」「メイザース」「ウェイト」「クロウリー/黄金の夜明け団」「数の象徴体系」「占星術」「タイミング」「+のキーワード」「ーのキーワード」「正位置」「逆位置」が掲載されています。

書籍にはタロットの歴史や占い方、スプレッド紹介などもあり、全体的な印象としては伊泉龍一先生の『完全マスター タロット占術大全』に近い印象があります。

掲載されているタロットはLlewellyn’s Classic Tarotで、書籍の中では「Classic Tarot」として紹介されています。
Llewellyn’s Classic Tarotはウェイト版タロットを参考にしてはいますが、異なる印象の札もあるので好みの別れるところでしょう。

本のサイズは大きく、B4変形と言ったところですが、これは恐らく元になった書籍が変形サイズであることに由来しているものと思われます。

P100からはじまる「カードのディグニティ」など書籍ではあまり見かけない情報や、幾つかの書籍を横断的に読まなければ取得出来ない情報(たとえば小アルカナのデカンなど)が掲載されている一方で、カードの「意味」が中心になっていてそれぞれのカードの象意に対する著者なりの解説が存在していないのが残念。

このあたりは「辞典」として考えれば妥当だ、という感じもしなくはないし、メイザースやエティヤのカード解説を日本語で並列的に読めるのはエキサイティングではあるけれど全体的にいえば「帯に短し襷に長し」というか、初心者向けなのか上級者向けなのか「読み手」がフォーカスされていない印象が拭えないのも事実。

メイザースやエティヤのカード解説やデグニティなどの解説を包括的に読めるという点は稀有ですし、この本以外に存在しませんが、それ以外の部分が若干「弱い」印象があります。

著:アンソニー・ルイス, 監修:鏡リュウジ, 翻訳:片桐 晶
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