マルセイユ・タロット教室|井上教子著

この本は【参考書籍】です。

タロット象徴事典』、『タロットの歴史 西洋文化史から図像を読み解く』などを執筆されていらっしゃる井上教子先生によるタロット占いを学ぶ為の本です。
書籍タイトルに『マルセイユタロット』とありますので「参考書籍」と書きましたし、マルセイユタロットの図像解説を織り交ぜていますが、ウェイト版タロットをお持ちの方も参考になると思います。
ウエイト版の参考書として購入されるなら中級者もしくはセミプロレベルの方にお薦めします。

書籍の構成は、広告の後にご紹介します。

目次

書籍の構成

『マルセイユ・タロット教室』は、マルセイユタロットの図像を解説しながら、タロット占いのやり方を解説する、という構成になっています。

リーディングの技法や展開法、占的や切り札など、井上先生ならではのお考えにふれることが出来ますので自宅にいながら井上先生のタロット教室に通う気持ちで使うのが良いでしょう。

カモワンメソッドとして知られる人物の目線を意識した占い方は扱われず、一枚引きを基礎としながら著者独自のスプレッドやヘキサグラムなどの占いを実際の相談を元に作成された悩みを踏まえながら学んでゆく、というものになっています。

P4以降に井上先生ご自身が『この本の使い方』を解説していらっしゃいますので、本エントリでは「本を買う前に」どんな構成になっているのかを知りたい方の為に私なりに解説してゆきます。

大アルカナ編の構成

1.絵柄の解説

3枚のマルセイユタロットを比較しながら何が描かれているか、どのような解釈が出来るかが解説されています。
使用されているタロットの解説はP8『主なマルセイユタロットについて』にありますので併読すると良いでしょう。

2.1枚で解釈してみよう

大アルカナ全てに1枚で占ったらどう読めるのかの解説が行われています。

3.読み解きレッスンHop・Step・Jump

各セクションで取り上げた大アルカナを中心にしながら読み解きのポイントが解説されています。図像解説とは「別」に『魔術師』から順に読むと「タロット教室」として機能しています。詳細は『読み解きレッスンの構成』にて解説いたしますが、

4.TrialとAnsewer&Point

『 読み解きレッスンHop・Step・Jump 』を踏まえながら、占いレッスンに挑戦をする形になっています。

小アルカナ編の構成

第1章 概略

マルセイユタロットの小アルカナについて解説が行われています。
井上先生独自の視点であるとはいえ、丁寧に解説が行われています。
特に『形について-4つの配列=4つのコード』は興味深く読みました。

第2章 数札

小アルカナの1~10について前述しました 『形について-4つの配列=4つのコード』 を踏まえながら解説をしています。
但しそれぞれのカードについての解説はありませんので 『形について-4つの配列=4つのコード』 を良く読みながら理解を進めてゆく必要があるでしょう。

第3章 人物札

いわゆるコートカードについての解説が行われています。
カップ・コイン・ソード・ワンドの人物札をエレメントごと4枚ずつ纏めて2ページではありますが「どんな人物・心境か」の解説が書かれています。

第4章 キャスティングとシグニフィケイター

コートカードから一枚をシグニフィケイターとして決める場合のやり方が解説されています。占星術的なアプローチもあるのが面白いな、と感じました。

第5章 小アルカナを使った実践鑑定

このセクションでは小アルカナだけで占いを行い、大アルカナを切り札として使う、という技法を1例掲載されています。

『読み解きレッスン』の構成

ブックレビューという意味においては「書籍の構成」だけで十分だと感じますが、『マルセイユ・タロット教室』のキモは「 読み解きレッスンHop・Step・Jump 」およびそれに続く「TrialとAnsewer&Point 」にあると考えています。
『魔術師』から「レッスン」を受けるつもりで読みすすめる構成を想定していると思いましたが、必ずしもそういう読まれ方をしないだろうと考えましたので 「 読み解きレッスンHop・Step・Jump 」がどのようなコンテンツで構成されているかをご紹介してゆきたいと思います。

基本の”き”は一枚引き-魔術師

『魔術師』に掲載されている「読み解きレッスン」では一枚引きについての解説、そして占的についての解説が行われています。
タロット講座を受講したり、タロット好きの方と会話をしたときに「占的が絞れてない」ということを言われることがあるかと思います。ここで述べられている「占的」は井上先生のお考えに基づいてはいますが、学びを得ることは出来るでしょう。

卜術-切り札、「For What」について-女教皇

『女教皇』に掲載されている「読み解きレッスン」では「アドバイスカード-切り札」についての解説が行われています。

今後の成り行き-「現状」と「今後」の2枚で、時系列を見る-女帝

『女帝』に掲載されている「読み解きレッスン」では時系列のリーディング技法について、切り札の概念を踏まえつつ解説が行われています。

逆位置について①-占い以前の問題-皇帝

『皇帝』に掲載されている「読み解きレッスン」では逆位置について解説されています。

逆位置について②-アルカナが示す「本質」の過不足-教皇

『教皇』に掲載されている「読み解きレッスン」では 『皇帝』に引き続き 逆位置について解説されています。
このセクションで解説されている「過不足」は逆位置を理解する上で重要な考えです。

展開法の原典、トライアングル-恋人

『恋人』に掲載されている「読み解きレッスン」では 「現状-今後-切り札」の3枚で読んでゆく技法が解説されています。

アドバイスの伝え方-戦車

『戦車』 に掲載されている「読み解きレッスン」では 、展開したカードをどのように伝えるかについて解説されています。

同じアルカナでも解釈が変わる-正義

『正義』に掲載されている「読み解きレッスン」では 同じカードが出ても占的によって解釈が変わってゆくことが解説されています。

迷ったときの「現状位置確認」-隠者

『正義』に掲載されている「読み解きレッスン」では複数枚展開したときの「現状」の読み方を中心に解説されています。

二枚引き・2枚クロス(十字)展開法-運命の輪

『運命の輪』に掲載されている「読み解きレッスン」では「現状・切り札」の2枚展開をどう読んでゆくかが解説されています。

三枚引き、「スリーカード展開法」と過去の札-力

『力』に掲載されている「読み解きレッスン」では「過去・現状・今後」の3枚展開をどう読んでゆくかが解説されています。

「クロス展開法」を攻略しよう-吊るされた男

『吊るされた男』に掲載されている「読み解きレッスン」では「現状・過去・今後・潜在力・顕現の可能性」の5枚展開をどう読んでゆくかが解説されています。

「6枚クロス展開法」を攻略しよう-死

『死』に掲載されている「読み解きレッスン」では「現状・ 現状・過去・今後・潜在力・顕現の可能性・切り札」の6枚展開をどう読んでゆくかが解説されています。

「ペンタグラム展開法」を攻略しよう-節制

『節制』に掲載されている「読み解きレッスン」では「相談者の現状・相談者の今後・相談者の持ち駒、足かせになるもの・相談者の持ち駒、足かせになるもの・相談者の切り札・相談者の最終札」の5枚展開をどう読んでゆくかが解説されています。(※ 「相談者の持ち駒、足かせになるもの」2枚あるのでは誤植ではありません)

相談に応じて読み解き設定を変更する-悪魔

『悪魔』に掲載されている「読み解きレッスン」ではペンタグラム展開法の「どこで何を読むか」を解説しています。

七枚引きの「ヘキサグラム(六芒星)展開法」①-神の家

『神の家』に掲載されている「読み解きレッスン」ではヘキサグラムのリーディング技法について解説しています。

「ヘキサグラム展開法」②-特定の二者の関係性、2人の縁を読み解く-星

『星』に掲載されている「読み解きレッスン」ではヘキサグラム展開で二者間の問題をどう読んでゆくかが解説されています。

「ヘキサグラム展開法」の応用-難しいケース-月

『月』に掲載されている「読み解きレッスン」ではヘキサグラムのリーディングが難しいと感じたとき、どのように読めばよいかについて解説されています。

便利なヘキサグラム展開法」読み解き設定のアレンジ-太陽

『太陽』に掲載されている「読み解きレッスン」ではヘキサグラムのリーディングをアレンジする方法が解説されています。

実践的な鑑定の流れ①-審判

『審判』に掲載されている「読み解きレッスン」では、実際の鑑定がどのように行われるのかを「序盤・中盤・終盤」に分けて解説しています。
解説とおりの占い方をしなければならない、という訳ではなく「鑑定の流れ」の一例として読むのが良いでしょう。

実践的な鑑定の流れ②-世界

『世界』に掲載されている「読み解きレッスン」でも実際の鑑定がどのように行われるのかを例を変えて「序盤・中盤・終盤」に分けて解説しています。

誰でも使える便利な暗号(解読)占法 デコード・メソッド-愚者

『愚者』に掲載されている「読み解きレッスン」では、絵から読み取った象意をキーワードとして活用してゆく技法が解説されています。
解釈の例が表で示されていますので、初心者の方はキーワードや解説を読みながら、メソッドを活用すると良いでしょう。

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