この本は【参考書籍】です。
伊泉氏は数秘術の本を2冊出しておられますが、こちらは古いほうです。
個人的には、占いとしての数秘術にはあまり興味を持てないのですが、それでもカバラやゲマトリアに触れる為の基礎学としての数秘術を知っておきたいと感じていたので、そういう意味では丁度良い本でした。
Amazonレビューにもあるように、第一部を早田みず紀さんという方が、第二部を伊泉さんが書いておられる関係上、第一部と第二部では「様子」の違う一冊となっています。
書籍の構成は、広告の後にご紹介します。
第一部では数秘術の算出方法として誕生日から算出するライフパスナンバー(恐らく「数秘術」として最も良く使われているやりかた)を紹介した後、名前をローマ字に置換して算出するディスティニーナンバー、ソウルナンバー、パーソナティーナンバー、およびパーソナルイヤー・マンス・デイ・ナンバーの算出方法について触れられています。
誕生日や名前をベースに暗算したりローマ字・数字変換を資料無しにした上で、書籍に書かれた事を暗記出来るなら活用の道もあるのかもしれませんね(記憶することが莫大な割にはビブリオマンシーの領域を超越することの困難性はあるとは思いますが)
第二部では20世紀以降に起きたモダンヌメロロジーについて、ミセス・L・ダウ・ヴァリエッタや、ジュノー・ジョーダンを紹介しながら、彼女たちが提示したモダンヌメロロジーに対する解説が行われています。
その後に「アリスモロジー」という著者が創作した造語を交えながらヌメロロジーの変遷を語ったのちに『「ピュタゴラスのカバラ」というトンデモ説』というセクションを設け、「ピュタゴラスはユダヤの秘法カバラを学んだ」「ピュタゴラスはカバリストだった」のような説をバッサリと切り捨てた後、ゲマトリアへの座学へ導いていくやり方は流石と言わざるをえない、と感じました。
ゲマトリアに関してはクロウリーや黄金の夜明け団関連で言及されており「どういう原理・思想がその背景にあるのか」についてはある程度の予測を立てておりましたが、この本を読んで「やっぱりね」と感じました。
そういう意味ではゲマトリアや数秘術、ヌメロロジーに関心がある人は読んでみると良いと思います。
とはいえ、第二部は座学中心で「占い」にどう役立てて行けば良いのかについては、殆ど触れられていません。
あくまでも知識の補完という立ち位置であることに変わりはありませんけれど、それでも数秘術やゲマトリアに関心を持つ人の「いりぐち」として良い本であるように感じました。