【概要】
『ソードエース』のタロットカードが持つイメージは”純粋な思考”です。
垂直に掲げられ、オリーブとヤシが下がった王冠の輝く剣は、明晰で純粋な思考の象徴です。
雲から出現した手が一本の剣を握っています。
剣の先端には王冠が据えられ、ヤシとオリーブが飾られています。
ヤシとオリーブの葉の下にはヨッドが三つずつ降っているのが見えます。
【ディテール解説】
●剣を握る雲から出た手
雲から顕現した手が諸刃の剣を「握って」います。
小アルカナのエースカードはすべて手が顕現していますが「握っている」のはワンドとソードの二枚であり、男性原理の元素(火、風)です。
剣は諸刃の剣であり、明晰な思考の象徴であると同時に冷酷さを兼ね備えていることを表しています。
強い意志や信念は、強いエネルギーでありますが、時として誰かを(そして自分をも)傷つける事があるのです。
また、すべてのエースカードの手は光り輝いています。
これはエースカードが「高きところ」からもたらされた(顕現した)事を示唆していると言われています。
●王冠・オリーブの葉・ヤシの葉
剣の切っ先には王冠が飾られ、王冠からは平和の象徴であるオリーブと勝利を象徴するのヤシが垂れ下がっています。
平和と勝利のバランスを保っているとも、勝利によって平和がもたらされたとも解釈出来そうですね。
●赤い山と青い山
山は困難さを象徴しており、勝利によってもたらされた平和も長くは続かない事を暗示しているかのようです。
●左右に降り注ぐヨッド
『ソードA』は左右に三つずつヨッドが描かれていますが、占い上の示唆として積極的に用いられることは無いように思います。
強いて言うなら「バランス」と言ったところですが、それなら「オリーブとヤシ」の示唆から導き出す事が出来ますね。
●思考が/生まれる
小アルカナの「エース」に共通する示唆は「はじまり・うまれる」です。
言ってみれば「かたまり」のようなもので、エネルギーとしては強いけれど確認することは出来ないかもしれません。
これにソードの示唆である「思考(知性)・冷静さ・厳しさ」を組み合わせると「思考が生まれる」というように読むことが出来ます。
【解釈の例ー正位置 】
状況:勝利の予感・明確な意志・
心境:はっきりとした考え・判断・知的な
対策:指針を示す・考えを述べる・アイデアを出す
【解釈の例ー逆位置 】
状況:混乱・強引・攻撃的
心境:恨み・考えが纏まらない・排他的
対策:冷静さを取り戻す・考え過ぎない