『ご案内』にも書いたとおり、私は『TarotNavi』を開設するにあたり、U.S.Games社さんより「ウェイト版タロットの画像を使って良いですよ」という許諾を得ています。
このページではウェイト版タロットの著作権に対する考え方の概要をご紹介した上で、私がU.S.Gams社さんにどのように著作権を申請したのかをご紹介したいと思います。
◆ウェイト版タロットの著作権に対する考え方は2通り
ウェイト版タロットは2人の著作者が関わり合いを持っています。
一人はウェイト版タロットを考案したアーサー・エドワード・ウェイト(Arthur Edward Waite 1857/10/2-1942/5/19)で、もう一人はウェイト版タロットの絵を描いたパメラ・コールマン・スミス( Pamela Colman Smith 1878/2/16-1951/9/18)です。
ウェイトのほうは2012年で死後70年経過していますから国際的に見ても大丈夫なのですが、パメラ・コールマン・スミスは死後70年著作権は保護されると考えた場合、2021年まで保護されることになります。
WikiPediaの『タロット』以下にある各ページには、ウェイト版タロットの画像が貼り付けられていますが、これは日本国内の著作権法に照らし合わせた場合、戦時加算の3794日を足しても 2012年5月22日までであるので日本国内で使用するには問題ない、という考えに基づいたものです。
◆U.S.Games社さんに許諾をもらう為の基礎知識
他方で、ウェイト版タロットを販売している会社のひとつであるU.S.Games社さんでは「使うなら利用許諾の申請をしてね」という趣旨の事を書いています。
U.S.Games社さんが主張するガイドラインは https://www.usgamesinc.com/info/TarotReproductionPolicies.pdf(PDF)から閲覧出来ますが、英文ですので、概略を説明致します。(注:あくまでも「概略」ですので、必ずリンク先をお読みになられてくださいね)
●General Policies Regarding Reproduction and Usage
こちらはタロット画像使用のガイドライン(および制限)について書かれています。
1.画像を使用していいのは特定の(許可を与えた)タロットだけです
2.使用許諾申請を出すと審査・許可が行われ、金銭が発生する場合は請求されます
3.タロットカードの改変は行わないでください
4.合意が行われたらU.S.Games社の合意の上、利用できます
5.利用出来るのは許諾を得てから2年間で、延長を希望する場合は半年前までに申請を行うこと。
●Usage and Pricing
利用方法によって、無償もしくは有償が定められています。
1.タロットデッキの販売:無料。
タロットカードを販売するにあたってプロモーションを行う為に画像を利用する場合は「無償」とされています。
但し、画像の著作権はU.S.Games社に帰属すると定められています。
日本国内でタロットカードを販売する場合はAmazonや楽天などのアフィリエイトを使用し、そちらで包括的に処理されますからあまり考えなくても良いでしょう。
2.タロットデッキのレビュー:無料
タロットカードの使用感、描かれている絵柄などをレビューする場合は無料とされています。
これも項目1と同じ感じですね。
3.無料のタロット教育:無料
タロットカードを教えるにあたって「無料」ならお金は発生しませんよ、ということですね。
但しTarotNaviのようにアフィリエイトバナーを張り込みしたような場合「無料」に該当するのか、ちょっと判断しかねますね。
4.有料のタロット教育:有料
タロットを教えるにあたってお金を取るなら、お金を払ってくださいね、ということですね。
ネットを使ってタロット教育を行う場合は充分留意したほうが良いと言えるでしょう。
5.印刷物。書籍、記事、パンフレットあるいは広告印刷物に掲載されたタロットカード画像の複製:有料
書籍などにタロットカードの画像を掲載するなら有料ですよ、ということですね。
Kindleや同人誌などの形態で出版するなら自己申告、出版社さんから執筆の打診があったなら出版社さんと協議する形になるでしょう。
6.動画媒体:有料
映画やテレビ、ビデオ、コマーシャルなどの映像などにタロットカードを使う場合は有料となると定められています。
YOUTUBEなどでタロット占いの講座を開設したり占いをするなら事前に確認・許諾を得たほうが良いでしょう。
7.人手によってタロット閲覧を準備し、サポートする:有料。
占いの展開結果をメール・電話などを使って見せる場合も含まれていますね。
私は占いの結果を写真撮影し、ご依頼主様にお見せするという方法を使いたかったので、この部分を心配していました。
8.インターネットを使い、自動的にタロットの結果を開示する:Tarot.comに問い合わせ
プログラムなどを使用した、いわゆる「自動占い」の結果としてウェイト版タロットの画像を使いたいならTarot.comに問い合わせてください、とのことです。
9.上記以外の利用。
◆U.S.Games社さんへの許諾申請方法
『U.S.Games社さんに許諾をもらう為の基礎知識』を参考に、自分が必要な許諾申請を選択します。
私の場合「項目3」「項目4」「項目7」について申告を行いましたが、人によっては「項目5」や「項目6」も必要になるかもしれません。
申告フォームを読むと「郵送」となっていますし、EMSを使って郵送を試みましたが、連絡がなかったので色々調べてメールを送りました(注)
U.S.Games社さんのサイトには申告用書類もPDFで置いてありますのでご参考になられると良いかもしれません。
https://www.usgamesinc.com/info/TarotReproductionAuthForm.pdf
但し、メールフォームからは申告書は添付出来ませんので、あくまでも「書き方の参考」としてご利用になられてくださいね。
また、申告は英文で行ったほうが良いと思います。
日本語でも可能かもしれませんけれど、私は確認しておりません。
(注:現在でもU.S.Games社さんのFacebookページを探すと問い合わせ先としてのメールアドレスが記載されていますが、公開されている場所にメールアドレスを書くのが妥当か判断にまよいましたので、此処では敢えて記載致しません)
◆金額は幾ら掛かるのか
私は「項目3」「項目4」「項目7」について申告致しましたが、無料でした。
U.S.Games社さん優しい。
もしかすると冒頭に書きましたように「日本国内ではウェイト版タロットの著作権は切れている」事を知っているからかもしれませんが確証は有りません。
いずれにせよ「U.S.Games社さんに許諾を貰っておくほうが良い」ように私は思います。
◆お断りおよび免責
『ウェイト版タロット著作権についての考え方は2通り 』に書きましたように、ウェイト版タロットの著作権に対する考え方は2通りあります。
2013年以降に出版された書籍のうち幾つかはU.S.Games社さんの許諾クレジットの無いものもありますが、省略されている理由は個別の事情があるものと理解しております
私が行った行為はあくまでも「念のため」であり、このエントリもU.S.Games社さんの許諾クレジットの無い書籍やウェブサイトさんを批判する事を目的に書いたものではありません。
また、2012年以前に作られたことが確実な書籍やウェブサイトでもクレジット無しにウェイト版タロットが利用されているものも知っていますが、そうしたサイトや書籍を批判する事を目的としているわけではないことをご理解頂ければと思います。
このページに記載されている情報は、私の経験に基いて2016年9月に執筆されたものであり、閲覧された時期によっては状況が変わっている事もあることを充分にご理解の上、参考材料としてご利用くださいますよう、重ねてお願い申し上げます。