【概要】
『カップ10』のタロットカードが持つイメージは”幸福な家族”です。
虹に向かって手を広げる男女は幸福感に満ちています。
虹の中にカップが出現しています。
夫婦がカップの出現に驚き、そして喜んでいます。
彼は右腕で彼女を抱き寄せ、左上を上げ、彼女は右腕を上げています。
彼らの傍で踊っている二人の子供は、空の奇跡に気づいていませんが、彼らは自ら幸せを見つけているように見えます。
遠くに、彼らの家が見えます。
【ディテール解説】
●虹と共に出現するカップ
78枚あるタロットの中で虹が描かれているのは『カップ10』だけです。
虹は私達が考えるイメージ、即ち夢や希望を象徴していると考えて良いでしょう。
愛の象徴であるカップが虹と共に出現したことで、これ以上にない幸福感がここにあることを示しているといえるでしょう。
●夫婦と子供
カップの出現を喜ぶかのように夫婦が寄り添って虹のほうを見ています。
彼らの隣では、子供達が楽しそうにダンスを踊っています。
服装が大人と子供でペアになるところから、彼らは結婚をし、子供をもうけた幸福な家族なのかもしれません。
彼らが私達のほうではなく虹と彼らの家のほうを見ている事から他の人がその幸福に入り混む余地は無い、と読む事もあります。
また、子供は虹の出現に気づかず、子供同志で楽しんでいる事から、子供のような心を持った人は「家庭」という幸せ以外に楽しみを見つけるというように読む事もあります
●遠くにある家・横切る川
遠くに見える家は夫婦のものである、とウェイトは行っています。
家に向かって川が流れているように描かれているのも印象的ですね。
あるひとは「彼らは家(安定・幸福の象徴)に導かれる」と読み、別の人は「彼らの幸福はまだ先にある」というように読むかもしれません。
●愛の/帰結
小アルカナの「10」に共通する示唆は「終結・過剰」です。
これにカップの示唆である「愛情・受動性」を組み合わせると「愛の帰結」と読むことが出来そうです。
愛の終着点は、幸福な家庭、ということなのかもしれませんね。
【解釈の例ー正位置 】
状況:友愛の完成・家族の平和・満たされた愛
心境:やすらぎ・団らん・家庭の幸福
対策:家庭内の幸せを考える・家族を第一に考える
【解釈の例ー逆位置 】
状況:家庭内トラブル・孤独感・手の中にある幸せに気づかない
心境:心が通い合わない・家庭内、身内のケンカ・家庭を顧みない
対策:家庭にばかり目が行っている・家族への不満を解消する