概要
『女帝』のタロットカードが持つイメージは”豊かさと包容”です。
彼女は大地の母(地母神)であり、癒やしや豊かな気持ちを感じさせてくれるでしょう。
『女帝』と呼ばれる彼女は、柔らかなクッションに身を委ね、寛いだ様子で微笑をしています。
彼女は右手に王笏を持ち、ザクロが描かれたドレスを身にまとい、12の星が装飾された冠を被っています。
足下には小麦が実り、爽やかな風がそよいでいるように感じられます。
川の流れが森の奥より滝となり、彼女の足下に流れています。
盾とクッションに金星を表すマークが施されているのが見えます。
ディテール解説
金星のマークが入った盾・ザクロの模様が入ったドレス
彼女の足元には金星(♀)のマークが入ったハート型の盾が置かれ、ザクロが描かれたドレスを身にまとっています。
これらは女性性を象徴しています。
豊かに実るとうもろこし・大地を豊かにし流れる川
『女帝』の足もとには穀物畑が広がり、川の流れが森の奥より滝となり、彼女の足下に流れています。
彼女のまわりを取り囲むトウモロコシや森は彼女が生み出したものとされています。
このことから豊穣や妊娠の示唆を示すとされることもありますが、豊穣がもたらされる為には「種まき」が必要であることも暗喩しています。
赤いクッション・金星のマークが描かれたクッション
彼女は赤いクッションと金星(♀)のマークが描かれたクッションに身を委ねています。
赤いクッションは純粋な本能を、金星のマークは女性性を示しており、男性の力を借りることによって豊穣がもたらされる事を暗示しているとも、人類の感情の奥にある中核を目覚めさせるとも言われています。
右手に握られた王笏
金色に輝く王笏は、彼女が王位にあることを示しています。
ですが彼女は男性的な支配をしているのではなく、生み出したすべてのものを慈愛の心で包み込む地母神であることを象徴しています。
彼女は、右手に持った王笏を少し持ち上げ、左手をやや斜め下に向けているように見えます。
このポーズは『魔術師』にも見られるポーズであり、彼女もまた何かを生み出す役割を担っているのでしょう。
12の星が輝く冠
『女帝』は、12の星が輝く冠を被っており、彼女が12星座の母である事を物語っているとされる事が多いです(注)
(注)伊泉龍一先生は「『聖書』の「ヨハネ黙示録」の記述がモチーフとなっているかもしれない(『タロット占術大全』P386)」と指摘しておられます。
解釈の例ー正位置
状況:豊穣・報酬、成果を得る・幸福
心境:満足感・母性・愛情を感じる(与える)
対策:愛情を注ぐ・慈しむ・好きな事をやる
解釈の例ー逆位置
状況:お節介・支配的・関係が近すぎる
心境:警戒・嫉妬・不満・体だけの関係
対策:気まぐれに注意・関係性の見直し・無駄遣いに注意