概要
『法王』のタロットカードが持つイメージは”厳粛さと祝福”です。
『法王』と呼ばれるこの人物は、真に偉大なる者のみが被る事の許される三重の冠を被り、二本の灰色の柱の間に立っています。
彼は左手に教皇十字を持ち、右手で祝福のサインを行っています。
法王の足下には二人の司祭が法王の祝福を受ける為にひざまずいているのが見えます。
二人の司祭はそれぞれ「情熱の赤い薔薇」と「純粋さの白い百合」の模様が施された服を身にまとっています。
二人の司祭の間に、交差した鍵が見えます。
ディテール解説
三重の冠・教皇十字
『法王』が被る三重の冠は、真に偉大な者のみが被る事が許されている冠とされています。
『法王』が左手に持っているのは教皇十字と呼ばれ、ローマ法王が持っているとされています。
これらのことから『法王』のいる場所は教会のような厳粛な場所である、とされています。
祝福のサイン
『女教皇』の持つ「TORA」が彼女の着ている服によって一部が隠されているのに対し『法王』の示す祝福のサインは私達が見ることの出来るものです。
このことから『法王』は『女教皇』と異なり、私達の世界にいる存在であるとされています。
『法王』の右手は秘教のサインとして良く知られる「聖職者のサイン」、即ち祝福のサインを示しているとされます。
祝福を受けるということは喜ばしいことですが三重の冠を被る真に偉大な存在である『法王』がいるような厳粛・神聖な場所でもあります。
このことから「祝福」という示唆の他に「厳粛な」「堅い」「誠実さ」などの示唆を読み取る事が出来ます。
恋愛ですと、ちょっと堅いイメージのおつきあいですとか、正々堂々したお付き合いなら問題ない、というように読まれる事もありますね。
二人の司祭
「情熱の赤い薔薇」と「純粋さの白い百合」の模様が施された服を着た二人の司祭が跪き、法王の祝福を受けています。
祝福を授ける法王と、祝福を受ける司祭というヒエラルキー、あるいは二人の司祭と法王が「肉体・感情・精神」の三位一体を示唆している、とする人もいます
交差する鍵
鍵はローマ法王(POPE)の象徴とされていますが、此処では「更に上の世界・未知の世界」への扉を開く象徴として用いられています。
とはいえ、私達が鍵を手にすることは難しいようです。
灰色の柱・空間
二本の柱は『女教皇』のカードに描かれている二本の柱(ヤキンとボアズの柱)に似ていますが、灰色に塗られている事から別の柱である、とされています。
『法王』が座っているのは教会であり、私達人間が住む世界であるとされています。
教皇の背後にある灰色の空間は、私たちの立ち入る事の出来ない聖域であるとされています。
解釈の例ー正位置
状況:厳粛・誠実な関係・祝福・理解ある目上の人
心境:安らぎを感じる・信頼されていると感じる・穏やかな関係
対策:相手に寛大に・第三者の仲介・誠実さを持って対処
解釈の例ー逆位置
状況:反抗・型破り・規則に従わない・孤立
心境:心のやましさ・迷信深い・余裕がない
対策:相手に依存している可能性・ルールに従う・堅く考え過ぎ