【概要】
『星』のタロットカードが持つイメージは”夜明け前・希望”です。
全てを失ったかのように思えるときでも「手の中にあるもの」が何なのかを考えるといいでしょう。
大きく輝く八芒星を、七つの小さい八芒星が囲むように輝いています。
湖の傍らに全裸の女性が左足の膝を付いています。
湖の傍らに全裸の女性が左足の膝を大地につけ、左足は海の上にあります。
彼女は永遠の若さと美しさを象徴しています。
彼女は二つの偉大なる水差しから生命の水を注ぎ、海と大地を潤しています。
遠くの灌木に、知恵の神トートの聖鳥であるトキ(イビス)がとまっています。
星は「絢爛なる星 l’etoile flamboyante 」であり、フリーメイソンのシンボルにも類似していますが、異なるものです。
ディテール解説
輝く八芒星
The Pictorial Key to the Tarotには ” l’etoile flamboyante ” とありますが、この単語を調べるとフリーメイソンのマークが出てきます。
ですがウェイトはフリーメイソンの象徴とは違いますよ、と言っています。
星が示すのは天界と四大元素の実態、即ち大アルカナと小アルカナが一堂に会しており、単なる「希望」だけではない事を示唆しています
(勿論「希望」としてリーディングしても良いと思います)
ウェイトは『星』のカードを”魂の贈り物 ”であると言っています。
このことは私達が本来持っている魅力・才能・心の中にあるものによって自ら輝く「星」であるという事を示唆しています。
全裸の女神
『星』のカードは一糸まとわぬ姿の女性が描かれています。
彼女は『女教皇』や『女帝』同様に(あるいは彼女たちが姿を変えた)グレートマザー(地母神)であり「理解」です。
裸であるということは「ヴェールを脱ぐ」事であり、『塔』という衝撃によってむき出しにされた魂を示していると言っても良いでしょう。
今、自分の「手の中にあるもの」こそが、あなたにとっての『星』であると言えるのです。
女神の持つ水瓶によって池と大地に注がれる水
『星』に描かれた女神は水瓶を持ち、水瓶の中の水は池と大地に注がれています。
これを占いとして読み解くのは難しいところですが、女神を「星と大地を媒介する存在」として眼差すなら、星即ち「空にあるもの」が星の女神を通じて大地に伝達される、と考えて良いでしょう。
平たく言うなら「思考は現実化する」という事になりますが、その思考はポジティブなものばかりとは限らない事に留意する必要がありそうです。
知恵の神トートの聖鳥イビス
右側に止まっている鳥は知恵の神トートの聖鳥、イビスであるとされます。
タロティストによっては「夜明けを告げる鳥」であるという見方をする人もいます。
このことから「夜明け前=問題の解決が訪れる予兆」というように読む占い師さんも多いです。
知恵も夜明けも可能性の示唆であり「手の中にあるもの」を使って前に進む事の必要性を示しているともいえるでしょう。
解釈の例ー正位置
状況:穏やか・理想的な状況、相手・可能性を追い求める
心境:心の中にあるものに気づく・期待・思考は現実化する
対策:希望を抱く・期待する・意識する
解釈の例ー逆位置
状況:美化する・手が届かない・気まぐれ
心境:疑い・陰り・高慢な態度・内気
対策:理想が高い・自分の心を信じる・本当の自分を見せる