【概要】
『ワンド2』のタロットカードが持つイメージは”取捨選択”です。
「何かを得るためには、何かを捨てなければならない」状況が描かれているといえるでしょう。
見晴らしの良い城壁に立ち、海を見つめている人物が描かれています。
彼は右手に地球儀を持ち、左手で情熱のワンドを握っています。
城壁には「情熱の赤い薔薇と純粋性の白い百合」が交差するように描かれ、ワンドが一本固定されています。
【ディテール解説】
●2本のワンド
情熱を示すワンドが2本描かれています。
1本を男性が握りしめ、もう1本は城壁に括りつけられています。
城壁に括りつけられた棒は選びたくても選べない事を示しているのでしょうか
それとも二者択一の結果を示しているのでしょうか。
●赤い薔薇と白い百合
城壁には赤い薔薇と白い百合が交差した形で描かれています。
赤い薔薇は情熱を、白い百合は純粋性を示し、交差をしているところから、情熱と純粋性が交差(葛藤)すると読まれる事が多いようです。
●背を向ける人物
『ワンド2』に描かれている人物は、背を向けて描かれています。
彼の眼差しは遠くにある海ではなく、手元にある地球儀を見ているかのようです。
『ワンド2』を「大望を抱く」と解釈する人もいますが、何処か消極的な印象があるように感じます。
彼が2本あるワンドのうち1本を選んだのは積極的選択だったのでしょうか。
●地球儀
地球儀は、このカードに描かれた人物が「成功を収め」ていることを示唆しています。
ですが小アルカナを「成長の物語」として考えた時「2」という数字は成功を示すには小さすぎるように感じます。
ウェイトは『ワンド2』を「アレクサンダー大王の病い」と書いていますが、これは小アルカナを10からエースと辿って考えたときに成立する解釈です。
『ワンド2』には「城壁に括られたワンド(選ぶ事のできないもの)と、握られたワンド(選んだもの)」という二者択一的な解釈と「地球儀(これまでの経験)とワンド(これからのこと)」のいずれかを選ぶ、という2通りの解釈が可能です。
●情熱を/選ぶ
小アルカナ の「2」に共通する示唆は「選択・均衡 」です。
かたまりだったものが2つになって「白・黒」のような二項対立的な要素となったり、選択の対象となったりするイメージです。
これにワンドの示唆である「情熱・男性性」を組み合わせると「情熱を選ぶ」というように読むことが出来ます。
【解釈の例ー正位置 】
状況:選択・展望・指導力・責任
心境:躊躇・判断中・二者択一
対策:計画を実行に移す時・主導権を握る・決意する
【解釈の例ー逆位置 】
状況:計画の変更・協力をえられない・選択の失敗
心境:自分勝手・ひとりよがり・心変わり
対策:協力を要請する・一人で決めない・計画の見直しを