明治・大正時代の占い本あれこれ

平成10年に国会図書館で開催された『占いあれこれ』という展示の資料が国会図書館のウェブサイト内にpdfで存在しています。

本エントリでは同資料に記載のあるうち『国立国会図書館デジタルコレクション』で閲覧可能な資料を通し日本における明治・大正時代にどのような占いが存在していたかを紹介してゆきたいと思います。

ご紹介する占いは全て著作権が切れていますので、占いの研究材料にしたり、新しい占いを考える材料にするなど、各自活用方法をお考えになられてみてください。

紹介は、『占いあれこれ』の掲載順に従っています。

目次

年々星廻独占

国会図書館の資料では「星占い」として紹介されています。
本文を見ますと年齢を『羅喉星・土曜星・水曜星・金曜星・日曜星・火曜星・計都星・月曜星・木曜星』の9つに分けて年運を出しているのがわかります。
これは九曜星信仰に基づいた占いです。

九星、と書きますと九星気学を思い起こす方も多いですけれど九曜星信仰は「月・火星・水星・木星・金星・土星・太陽」の7天体に月のノードの2天体を加えたもので、後天定位盤を元にした九星気学とは考え方が相違します。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760707
池川利三郎 編 明治20(1887)年刊。

人相秘伝

人相を12の宮に分けた図、および方位の図が描かれています。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760695
北河半蔵 著 明治21(1888)年刊。

掌中独八卦 古今無双

易の簡易版。表紙がかわいい。
8つの卦に対し「売り買い・待ち人・家業・縁談・失せ物・方角・待ち人・金だん(借金の相談?)・願い事・ところ替え・旅立ち」などを見るという、おみくじ感覚の占いが掲載されています。
九曜占いが掲載されているのはコンテンツが足りないと思ったからですかね。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760421
出雲井正男 編 明治21(1888)年刊。

狐狗狸怪談 西洋奇術

表題には「こっくりかいだん」と書かれていますが、テーブルターニングと呼ばれるものを起源とした占い方で、 昭和40年代にブームを巻き起こした「こっくりさん」とは占い方が異なります。
表紙の文字が無駄にカッコいいんですけど「原名スピリチュアリズム」はどうなのかと(笑)洋装に身を包んだ紳士淑女の周囲を狐の霊が舞うのも和洋折衷の趣がありますね。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1083622
凌空野人 編 明治20(1887)年刊。

銭占独判断

6枚の文久永宝を使い、波の絵のあるほうを白、文字のあるほうを黒として占断する、簡易的な易のやり方。
占断に一緒についている絵がかわいいです。字はちょっと読みにくい。

易をカードにするアイディアの参考となるかもしれません。
表紙のオッサンは明らかに酒を飲んでいるのも見どころです(?)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760517
三輪浅治郎 著 明治21(1888)年刊。

十二支生年吉凶占

易を立て、12支それぞれに運気を掲出しています。
(卦の立て方の解説はありません)
同じ易の結果なのに占断が違うのは、12史で運気が違うよ、ということなのでしょうか。ちょっと謎です。
添えられているイラストがかわいい。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/899388
黒坂重助 編 明治21(1888)年刊。

占夢早考

「この夢を見たらこういうお告げ」という趣旨の事がイラストと共に掲載されています。
子供が二人でゴザを持ってくる夢とか鏡の夢とか見たことがありませんので、見る夢も時代と共に変化するということでしょうか。
とはいえ表紙に描かれている「一富士ニ鷹三なすび」の出てくる夢も、私は見たことがありません(笑)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760911
三木光斎 著 明治25(1892)年刊。

源氏遊びうた占

木火土金水の札を各5枚、合計25枚を5人に裏の状態で配り、並び順で卦を立て、源氏物語に基づいた札から吉凶を判断するという趣旨と類推しますが、卦の立て方の解説が少しわかりにくいです。仕組みがわかったら遊んでも良いかも?
5人いないと占えないというわけではないと思いますけれど、占いの手間の割には内容が簡素な印象があります。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/861426
富井楠次郎 編 明治26(1893)年刊。

嫁娶宝鑑 : 婦人人相

お見合いなどで「嫁取り」をするにあたって、女性の顔立ちから様々な事を読み取ることを目的としていると思われます。
凶相として紹介されている顔の中には「そんな奴おらんやろ」と思われるものもあるのもポイント。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760917
昇山房 編 明治26(1893)年刊。

元三大師御鬮判断諸抄

おみくじの考案者と言われる元三大師の名があるおみくじ。
ただし、このおみくじの内容が元ネタと同じかは不明とのこと。
最初のほうに描かれている悪魔のイラストがかわいい。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760127
出雲寺文治郎 著 明治28(1895)年刊。

座敷独判断 : 一名・奇術神易

ジオマンシーの要領で表に1、裏に2とある4枚の占符を投げ、16通りの占い結果を出します。
占い結果の最後に円盤状の表があり「ねがいごと・もくろみ・そんとく・ひっこし・まちびと・・・」のように16の占う内容が書かれ、それぞれに「いろは」が振られているので、例えば「1・1・1・1」が出て、占う内容が「ねがいごと」なら「第一の『い』」を見る、という使い方をします。
手順が若干煩瑣でサッと読めないようになっているのが占い本っぽいw

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760342
鈴木玄 著 明治28(1895)年刊。

西洋手相判断


西洋手相の解説書。
占星術アプローチで手相を見ると運命線の登る中指は試練を象徴する土星が支配している事になるなど興味深い点があります。
現代の手相術のベースとなっているものが多く見られます。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760514
松居松葉 編訳 明治36(1903)年刊。

二十世紀うらない

『ゆかいにふしぎとうまくあたるのよ』と書かれた16マスを使い、目を閉じて楊枝などでつつき、楊枝の突き刺さった文字と占う内容によって占断をするという占い。
巻末に九星を使った相性占いが附属しています。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/861653
山本完蔵 編 明治38(1905)年刊。

西洋新式花占ひ

見た夢の最初の一文字でイロハ順に並べ、それぞれに『ユメハカミノオンサトシ』に振り分け(『ろ』の項目のように短いものもある)、26ページ以降にある表に照らし合わせ『薔薇・桔梗・菫・撫子・紫苑・菊・牡丹・百合・藤・芙蓉・桜・紫陽花・紫蘭』に振り分け、振り分けた花によって吉凶を占う、という形式の占い。
筆者によると『世界第一の花の都たる、巴里の交際社会』で流行している花占いを参考にしているとのことですが、その割には登場する花が日本っぽい。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/861533
霊夢庵 著 明治40(1907)年刊。

お指の占ひ : 一寸拝見

どの指に渦が巻いているのかで、どんな人なのかを占断するのみならず、足裏に現れた渦やつむじや眉毛の渦で占断をしています。
手の指の隙間や足の指の長さでも占断していますが、書名にあるように、どれも「一寸」なので気軽な占いを意識しているのかもしれません。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760050
達観堂主人 著 明治42(1909)年刊。

手の紋理吉凶の鑑

西洋手相術ではなく、東洋の手相(手紋)術です。
途中に出てくる『掌中八宮之図』がかっこいい。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760602
木沢成粛 著 明治44(1911)年刊。

男女音声の吉凶

声の性質によって占断を行うというもの。
途中で声を木火土金水に分けていて、巻末で相性を占っていますが聞き分けが難しそうですね。
後半、癖による吉凶も出ていますが、マナーが混じっている印象も。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760578
木沢成粛 編 明治44(1911)年刊。

銭易と算易

コインを使った易を軽く紹介した後、ソロバンを使った易を紹介しています。
やり方は占った時間を「年月日時」で合算し、8で割った数で上卦とし、年月日に占う人の年齢を加え、8で割って下卦とする、というもの。
言ってみれば「易のホラリー」のようなものでしょうか。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/907267
石黒玄山 著 大正10(1921)年刊。

蓮華占 : 真言密法

8枚のカード(文中では蓮華札と記載されています)を使う単式と呼ばれる占い方が紹介されています。66枚のカードを使う複式法もある、と書かれていますが、書籍では紹介されていません。
カードの簡単な概説もありますが、書籍とは別にカードが存在していたのでは、と推測されます。
占いの内容が欠けている部分もありますが「複数枚の色違いの札を投げ、それを占いの結果とする」というアイディアそのものは、工夫をすれば新しい占いが生まれる可能性を秘めていそうです(私も一時期考えたのですが、挫折していますw)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/907200
米村嘉一郎 著 大正10(1921)年刊。

霊感トランプ予言法

トランプのハート・クラブ・ダイヤ・スペードからエース・6・7・8・9・10・キング・ジャック・クイーン、合計36枚を使って占いをするやり方です。
36枚と言いますとルノルマンを思い浮かべる方も多いかと思いますし使われているカードも一緒ですが、占いの内容が異なっています。
占いの内容がルノルマンと違いますが、展開法などに面白いものがありますね。

日本初のタロット解説書とされる『西洋運命書』が昭和6年なので、それより先にルノルマン占い(の名がある)本が出ている、というのも興味深い。

著者は裕福な家に産まれた後、ある事情で赤貧の生活を余儀なくされ女優団に入れられたり、誘拐団に攫われたりと数奇な運命の後にロシアにたどり着き、そこで霊感があることを見抜かれ、占いの修行を重ねた後、神戸に戻って来たというエピソードが掲載されているなど読み物としても面白い、です。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/918991
仲小路繁子 著 大正14(1925)年刊。

尚『霊感トランプ予言法』は、八幡書店さんから復刻されています。

著:仲小路繁子
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九星六曜吉凶表

カレンダーで良くみかける「大安、赤口、仏滅、先負、友引、先勝」という文字ふが書かれています。
占いあれこれ』の解説によれば、明治5年の改暦によって混乱した人々が六曜に飛びついたとあります。
どうでも良いですけれど明治政府が旧暦からグレゴリオ暦に変えたのは明治6年に閏月が存在し、財政が逼迫していた政府が給与を支払いたくなくて暦変更を急いだのだそうですwひどいw

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2535463
小林祐三郎 著 明治15(1882)年刊。

高島易断

占ったことはなくても名前だけは聞いたことのある「高島易断」の解説書。
豪華10冊セットが無料で公開されております。
易の解説に加え、幾つかの占い実例も載っているので興味のある人は調べてみてください。
私は1行目で挫折しましたww

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/760542
高島呑象 著 明治19(1886)年刊。

生れ月の神秘

作曲家として著名な山田耕筰氏による生まれ月占いの本。
冒頭のはしがきに書かれている『真理の中にも迷信があり、迷信の中にも真理は潜んでいます』という一文は、けだし名言であると言えるでしょう。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/924604

山田耕筰 著 大正14(1925)年刊。

この本の事をツイートしたところ鏡先生が解説を付けた本もある事が分かりました。

著:山田 耕筰, 編集:鏡 リュウジ
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運命の神秘

五聖閣法という名前でも知られる熊崎式姓名判断です。
私達が姓名判断として良く知っている技法の基礎のひとつとなっている占断法ですね。
『科学万能は一種の迷信なり』とあるのが良いですね(?)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1025965
熊崎健翁 著 昭和5(1930)年刊。

高島秘伝開運法


神宮館出版部 昭和15(1940)年刊。
九星占いに基づく年運および九星占いの算出方法が丁寧に書かれていてします。。
面白かったのが12支毎に一生の運勢、及び九星ごとの相性および適職を紹介している点。
有名人の紹介もありましたけれど良く分かりませんでした。。

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1137973

九星暦術一代運気活断口伝書

高島易断講究所本部 編 昭和16(1941)年刊。
『高島秘伝開運法』を更に専門的にした印象の本。
丁寧に解説されているので勉強になるかも(これで学ぶ必要はないかもしれませんけれど)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1137386

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この記事を書いた人

タロット・占星術を中心に、占い師・講師として活動をしております。
占いのご依頼は https://coconala.com/users/99298 にお願いします。

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